全国不動産ガイドブック

門塀の起源は戦?

2011.11.18

門塀の起源を戦とすると、理解に苦しむことが生じる。戦いが無くなった時代においてもどうして門塀は残るのか。少なくとも日本の場合、明治以後、街や村が攻撃にさらされる危険はないわけだし、もしあっても、大砲や鉄砲の時代に塀など何の役にも立たない。にもかかわらず、営々とブロックのセコい塀を作り続けている理由はなんなのか。その理由は、近代のサラリーマンというものの発生の時までさかのぼる。明治になってから、はじめて役人というサラリーマンが生まれ、しばらくして民間会社が興されて、社員というサラリーマンが出現する。

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サラリーマンというと今日では民間会社が主体だが、原点は明治のお役人なのである。で、彼らはどんな住まいに住んだのか。山の手の武家の空き家に、上役から下っ端までそれぞれのランクに応じて住んだ。サラリーマンは武士の代わりであり、下町の商家や長屋の連中とは気位がちがう。戦う必要もないのに、最初のサラリーマンの皆さんは、高い塀と立派な門を、格式として好んだ。そして、この習いは民間会社のサラリーマンへ伝染し、今日にいたるのではないか。敵から守る必要もないのに、戦いの道具として発生し発達した塀を作りつづけるのは、本質的にウソがあり、そのウソが、ブロック塀という安っぽいシロモノを生み出した真意だろう。それでもあえて作るなら、上から石でも落とせるようにしてみろ、と私は言いたい。というと、今でも敵はいる、と反論があるかもしれない。男は門を出ると七人の敵がいると言うではないか。たしかに敵や競争相手はどの組織にもあるだろう。しかし、社内のライバルがあなたの家の玄関のドアを蹴破るか?競争相手の会社の課員が課長を先頭に庭までなだれ込んでくるのか?そんなメチャメチヤなサラリーマンがいたら、今時の社長はおおよろこびだろう。おそらく。敵がいるというたた心理的な圧迫感が塀を作らせているにちがいない。





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